時計修理の流れ

オーバーホール(分解掃除)

動かなくなった時計を、一度完全に分解して、清掃したあと、新しいオイルを注入して、元通り組上げるまでをオーバーホール(分解掃除)といいます。
ここでは、機械時計のオーバーホールを例に取り上げます。

洗浄

分解した時計部品を、ベンジンに漬けてブラシでこすり、汚れを洗浄しています。その後、超音波洗浄機にもかけ、さらに汚れをしっかり落とします。当店では、時計油の保持性を向上させるエピラム処理という化学処理も、洗浄と同時に行っています。

組立

元通りに時計を組み立てていきます。同時に、潤滑が必要な個所に新しい時計油を差していきます。非常に集中力を要する作業です。

調整

組み上げた時計のムーブメントをいろいろな姿勢にして、タイムグラファーという機械で歩度を測定しつつ、時間を正確に刻むように何度も調整していきます。

時計工具

タイムグラファー

機械式腕時計の歩度調整に使います。
この機械がなければ機械式時計の調整ができないというくらい特に重要な機械です。

クォーツテスター

クォーツ式腕時計の歩度調整に使います。
特にトリマー式クォーツ時計は、この測定器がなければ調整できません。

時計修理机

元々はセイコーサービスセンターで長年に渡って使われていた丈夫な時計修理机です。知人を通じて譲り受けて、当店の修理室に置かれています。

時計旋盤

時計の部品を手作りするときに使います。アメリカンWW型旋盤という種類の旋盤です。米国のシカゴ市、マーシャル社製。

天芯別作

機械式時計のテンプの軸「天芯」を別作しているところです。
顕微鏡で撮影してますが、先端の部分は、材料の鋼を髪の毛よりも細く加工しています。

ポンス台

時計部品のカシメに使う道具です。写真は、別作した天芯とテンプの輪を接合する前の状況です。