このホームページは、私のスーパーカブに行ったメンテナンスやカスタマイズの紹介をしています。
できましたら、あなたのスーパーカブのメンテナンスやカスタマイズの参考にして頂ければ幸いです。

ロングスイングアーム製作

ロングスイングアームとは?

ロングスイングアームとは、リアホイールを支えている通常のスイングアームの長さを延長した物のことです。
スイングアームを延長することで車体を伸ばすことができます。
カブの車体は、コンパクトにまとめられています。でも、ちょっと窮屈。もうちょっと長くしたい、より個性的なスーパーカブにしたい・・・というか、カブ魂というスパーカブのコンテストで入賞したい!と思ったのが、製作のきっかけでした。
延長する長さは、10cmと決めました。
まずは、材料集めです。
材料には、ホームセンターで購入した、幅5cm、厚さ6mmほどの炭素鋼材を使用しました。これを11cmの長さで2本切断しました。
1cm分は、鍵型に加工するための余裕を見てカットしました。

スイングアームを切断

スイングアームを車体から取り外し、写真のように鍵型に切断しました。電動の切断砥石を使用すると必要以上に削れてしまうので、金鋸を使い手作業で慎重にカットしました。

アーク溶接

切断したスイングアームと、切り出した鋼材をアーク溶接で溶接しました。
自宅にあった家庭用100Vアーク溶接機では強度不足で、仕上げは200Vのアーク溶接のできる鉄工所に依頼しました。
写真は家庭用100Vアーク溶接機で仮溶接した時の物です。

塗装

溶接面を整えた後、下地処理のサーフェイサーを吹き付けました。これをやらないと、塗料が強固に密着しませんし、塗料の色がはっきり出ません。

塗装

純正色のグリーンのカラースプレーを塗りました。

ロンスイ仮組み

完成したロングスイングアームを車体に取り付けました。
溶接による高熱で熱変形が起きているので、目視で分かる歪を木製ハンマーで叩いて、少しずつ曲げ直していきます。
完成まで、もう一息です。

ロングスイングアーム完成

ロングスイングアームを取り付け、走行できる状態にするには、関係するパーツをすべて10cmずつ延長しなくてはなりません。
別途製作していた10cm延長トルクロッド&ブレーキロッドと、20cm延長したチェーン、10cm延長加工したチェーンケースを取り付け、ロングスイングアーム化したスーパーカブが完成しました。
どうですか?スタイルもばっちりです。

その後の感想

ロングスイングアームを取り付けたあとの走行性能の変化についてですが、
利点としては、車体の長さがそのまま長くなるので車体が大きく見える事による見栄えの向上と、ホイールベースが長くなるので、直進安定性が向上しました。
欠点としては、一般的に旋回性能が若干犠牲になるとされてますが、スーパーカブの場合、もともとが小回りが良好で旋回性能に大変優れていますので、10cm程度の延長で多少旋回性能が犠牲になっても、全く違和感がありませんでした。
フレームの切断を伴う改造は危険と思われるかもしれませんが、これには、かつて学んだ工業高校と工業専門学校での実習経験、日頃の常務で培われた金属加工の技術、トヨタ自動車の工場で働いた時の経験等が生かされています。(本業はメガネ屋さんです)
特に、トヨタの工場で担当した部署はシャシー溶接であり、溶接面から重量物の溶接強度を見極める経験を積めていたのが大きな安心材料となっています。
使用した鋼材と溶接強度に関してですが、慎重に慎重を重ね製作しておりますので、その後も異常無く走行できています。
金属加工に自信のある人は、このロングスイングアーム製作に是非挑戦してみてください。